2011年05月08日

人間は強い!

連休を利用して阿蘇へ行ってきました。
まず訪れたのは、以前駐車場まで行ったものの、数台の観光バスに怖れをなして退散した「風の丘阿蘇大野勝彦美術館 」です。
私は混み合うと作品に集中できないので、開館してすぐの時間を狙いました。
人間は強い!
阿蘇のきれいな空気と水とスタッフの愛情をいっぱいに受けて育った花たちが迎えてくれました。

「農作業中、機械により両手を切断。入院3日目より、“湧き出る生”への想いを詩に託す。さらに2か月目には、その喜びを水墨画に表現」(Wikipediaより引用)
人間が未熟な私は、このテの話はあまり得意ではありません。
でも作品の数々を見ていくうちに、原画だからこそ感じられるパワーが伝わってきました。義手でこれだけ描けるなんてとか、そんなことではなく。
きっと大変な絶望や苦労を重ねられたことでしょう。暗く長いトンネルを抜けた大野さんの絵や詩には、前向きな心が表されています。しかもそれは「僕も障がいを乗り越えてこんなに頑張ってるんだから、みんなも頑張れ!」といった押し付けはなく、自身の気持ちと描きたいものをそのまま描いているだけ。そんな印象でした。だから先入観と苦手意識があった私の心にも響いたのでしょう。

また、館内で上映されているドキュメンタリーで、運転する時や釣りをする時など、作業によって義手を使い分けていることを知りました。
不幸な事故だったけれど、悔やんだり恨んだりしても何にもならない。それならば与えられた境遇を楽しもう。無くしたものは大きいけれど、得たものも大きい。だから事故にも感謝しよう。
「楽しむ」「事故に感謝する」と私が言うのは失礼すぎるかもしれないけれど、作品からも大野さんの笑顔からもそんな姿勢を感じました。

館内ではご本人が作品を描いたり、カメラを手に庭に出たり、ありがちな威圧感のある芸術家オーラを発することなくごく自然にそこにいらっしゃいました。人見知りな私は(ほんとだってば)、「ありがとうございました」としか言えませんでしたが、言葉では表せないほど大切なものを得た気がします。人間の本当の底力は思ってるより強い!

昔、高鍋町美術館で「大野勝彦展」をしたそうです。またの開催を期待します。スタッフぅ~、よろしくお願いします!

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Posted by かおやん at 19:06│Comments(2)美術館巡り
この記事へのコメント
私は去年の秋に行っただよ。

私も本当は気が進まなかったのだけど、
行って良かったと思いました。

頑固者の食わず嫌いなのですが、
チャンスを棒に振ってはイカンと思いましたね。

大ファンになった、と言うとウソだけど、
素直に尊敬の念は湧きました。

気持ちの良い場所でありました。
Posted by キリンさん at 2011年05月08日 19:41
>キリンさん
本文に登場していただこうかと迷ったのですが、実はキリンさんの記事を読んで行って損はない!と思って今回行くことにしたんです。
>頑固者の食わず嫌いなのですが、

そんなキリンさんにウソはないと思いまして(^w^)
私も行って良かったです。キリンさんにも感謝ですm(_ _)m
Posted by かおやん at 2011年05月08日 20:15
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